投資をしないリスク

投資は確実に日本に広がっている。楽天証券、SBI証券によると口座数は増えている。しかし日本では投資をする人はまだまだ少数派だ。長年、日本ではデフレが続いており、新NISA以前までは投資をしない選択をしてもそこまで家計に悪影響を及ぼさなかった。

しかし、昨今の情勢によって、もはや投資をしないことそれ自体がリスクになりつつある。この記事では、投資をしないとどのようなリスクに晒されるか整理したい。なお、投資をする人間が記事を書いているため、意見に偏りがあることは留意して頂きたい。

なぜ投資をしないことがリスクなのか

インフレに対してノーガード

投資をしないとインフレに対して無防備となってしまう。勤め先の毎年の昇給額がインフレ率を上回れば投資をしなくても購買力が下がることはないが、インフレ率を下回る昇給やそもそも昇給しないようであれば次第にインフレに負けてしまう。インフレに対応できないと、徐々に購買力が低下し生活がどんどん苦しくなってしまう。

余談だが転職市場が活発なのはこの辺りにも一因がありそう。インフレに対応しない賃金形態や昇給を続ける事業所は労働者から見放されているかもしれない。

労働収入に極端に依存する

個人的に投資をしない最大のリスクと考えている。投資をしないで収入を得ようとすると、手元に余程の資産がある人を除いて労働で収入を得る以外の選択肢はない。前回の記事で触れたが、投資をすると自分以外が稼いでくれる仕組みを作れる。これは逆に投資をしないと収入源が自分の労働のみ、という事になる。若く体力があったり、健康に問題がなければそれでもやっていけるのだろうが、いざ働けなくなったとなるとそこで収入は途絶えてしまう。公的保険によるサポートはあるものの、他に収入源がなければ、貯蓄は減っていく一方となってしまう。

選択肢が増えない

投資によるリターンがあれば、たとえ少額でも選択の幅が広がる。投資をしない場合、収入源が自分の労働しかないので、新しいチャレンジをしたい、働き方を変えたいと思った時に金銭的な理由で諦めざるを得ない場面が増えてしまう。このデメリットは今現在は大きな影響を感じないかもしれないが、将来の選択肢を狭めてしまう。

制度や仕組みに無頓着になる

投資でリターンを得ようと思ったら、制度や仕組みを学ぶことは不可欠だ。例えば、金融商品の売買を特定口座で行えば利益に課税されるが、NISA口座で投資すれば利益に税金はかからない。

また、新NISAによって投資を始め、利益を出す人が増えればその分、本来利益に課税できるはずの税金を国は得られないことになる。その分税収が減るため、不足分を増税したり、新税や新しい社会保険料が生まれたりする可能性がある。実際、2013年からの復興特別所得税や2026年からの子ども・子育て支援金制度(いわゆる独身税の正式名称)がスタートし、少しずつ徴収額が増えて手残りを減らす方向に進んでいる。昨今はSNSの普及でこの手の話題は目につきやすくなったが、それでも制度や仕組みにアンテナが立たなければ、負担が増え、徐々に手残りが少なくなっている事に気がつかない。制度に対してアンテナを張り、対応できる所は自分で対応する力を身につけなければどんどん苦しくなってしまう。

終わりに

投資に絶対はなく、リスクがある。しかし、投資をしない選択はもはや自分の首を絞める行為に近づきつつある。投資をしなくてもインフレに対応出来る給与を得ている人も、増税や社会保険料の値上げが手取りを圧迫し、購買力の低下を招く。自分がリスクにどの程度耐えられるか(リスク許容度)を理解し、金銭的にも精神的にも無理のない範囲で投資を始める、続けることが現代では求められる。

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